職場で注意されたのに、なぜか全然気にする様子もなくケロッとしている人。あなたの周りにもいませんか?
「あの態度、なんなの…?」とイライラしてしまう人も多いのではないでしょうか。けれど実は、その裏には本人なりの理由や心理があることも。
この記事では、そうした「怒られてもケロッとしている人」の特徴や心理的背景、うまく付き合うための対処法を丁寧にご紹介していきます。
- ケロッとしてる人の性格・心理的背景を深掘り
- 怒られても響かない理由と反応の傾向を解説
- 感情に振り回されずに接する具体的対処法を紹介
- ストレスを減らすための距離感と相談方法も提案
怒られてもケロッとしてる人は「反応の仕方」が違うだけだった
「なんで怒られてるのに、あんなに平然としてるの?」「反省してないの?」とモヤモヤしてしまう気持ち、すごくよくわかります。でも実は、“怒られてもケロッとしてる人”は、悪意があるわけでもなければ図太いだけでもないんです。彼らの中では「怒られた=自分を全否定された」とは思っていないことが多く、むしろポジティブに受け止めていたり、感情を外に出すのが苦手だったりと、その反応の仕方に個性があるだけなんです。
なぜ怒られてもケロッとしてるのか?その心理的背景
怒られても動じないように見える人って、どうしてそんなに平然としていられるのでしょうか?実は、その裏には意外な心理的背景や性格の傾向が隠れていることがあります。ここでは、ケロッとして見える人の内面を3つの観点から掘り下げていきます。
自己肯定感が高く、傷つきにくい性格
「怒られても全然気にしてなさそう…」という人の中には、自己肯定感が非常に高いタイプがいます。こういう人は、たとえミスを指摘されても「自分という人間全体を否定された」とは思わず、「今回はたまたま失敗しただけ」と自然に切り替えることができるんです。
実際、「失敗を成長のチャンスと捉える」ポジティブな思考ができる人は、叱られても落ち込みすぎず、すぐに次の行動に移れるという強みがあります。一見、図太いとか反省していないように見えるかもしれませんが、本人なりにしっかり受け止めていることも多いんですよ。
子ども時代の経験で「感情を出すのが苦手」になった
また、ケロッとして見える人の中には、子どもの頃から「怒られても顔に出さない」「感情は見せない方が安全」と学んできた人もいます。たとえば、家庭環境が厳しかったり、感情を表に出すと否定される経験をしてきた人は、大人になっても“無表情”や“無反応”で自分を守ろうとする傾向があります。
そのため、注意された瞬間も内心ではショックを受けているかもしれません。でも、それが態度に表れないだけで、実は深く反省していることもあるんです。表情やリアクションだけで判断してしまうと、誤解が生まれてしまうかもしれませんね。
共感力が低く、空気を読むのが苦手
一方で、注意された理由をちゃんと理解していなかったり、周囲の空気を察するのが苦手な人もいます。共感力が低めで、人の感情に敏感に反応できないタイプは、「怒られていることの重大さ」に気づかないことも。
たとえば、指摘された内容よりも「その場をやりすごす」ことに意識が向いてしまい、「うまく謝っておけばいいか」と軽く受け止めてしまうケースもあります。これは性格の問題というより、認知の仕方が違うだけで、悪気がない場合も多いのです。
ケロッとしてる人とどう付き合う?正しい接し方
怒られても動じない人に、感情的に接してもなかなか効果はありません。むしろ、お互いのストレスになるだけ。ここでは、ケロッとしてる人とうまく付き合うための「実践的な接し方」を紹介します。怒るのではなく、伝え方を変えることがポイントです。
感情ではなく「事実」で冷静に伝える
まず大前提として、「なんでそんな態度なの!?」と感情的になるのは逆効果です。相手には響きませんし、余計に“伝わらない人”と認識されてしまう可能性があります。それよりも、落ち着いて「何が問題で」「どう影響するのか」を、具体的に伝えるようにしましょう。
たとえば、「遅刻しないで!」ではなく、「○時に出社してもらわないと、Aさんの作業が始められないから困ってるんだ」というように、“あなたが悪い”ではなく“こういう影響が出ている”という伝え方に変えると、相手も受け取りやすくなります。
改善よりも「期待」を伝えるスタンスに
ケロッとしてる人は、ネガティブなフィードバックに対して「反省しているように見えない」ことが多いです。そのため、「ここがダメ」と言うよりも「こうしてくれたら助かる」と伝えた方が、行動を変えてもらいやすくなります。
「前回より早めに動いてくれて助かったよ」といった声かけも効果的です。ポジティブな声かけに対しては反応が良くなることも多く、建設的な関係が築けますよ。
「図太さ」を活かして役割を変えてみる
叱られてもケロッとしているということは、ある意味「ストレスに強い」とも言えます。この特徴は、考え方を変えれば立派な“強み”になります。たとえば、クレーム対応や突発的なトラブルが多い業務など、メンタル的な消耗が大きいポジションでは、その“図太さ”が大きな武器になることも。
向き不向きを見極めて、役割や担当を調整するだけで、その人の良さが活きるようになるケースもあります。「なんでこうなの?」とイライラするより、「どこなら輝けるか?」に視点を切り替えてみるのも一つの手です。
イライラしないための「見方」と「距離感」の工夫

どれだけ冷静に対応しようと思っても、やっぱり「なんであの人だけ…」とイライラしてしまうこと、ありますよね。でも、ずっとその気持ちを抱えていると、自分自身が疲れてしまいます。この章では、自分の心を守るための「見方」と「距離感の取り方」について解説します。
“受け流す力”も立派なスキル
イライラするたびに感情をぶつけていたら、こちらのエネルギーがすり減ってしまいます。そんなときは、「あの人はそういう人なんだ」と受け流す力を意識してみましょう。相手の反応にいちいち振り回されず、自分の感情との間に距離を取ることが大切です。
最近では、マインドフルネスやアンガーマネジメントのスキルが注目されており、怒りやストレスをうまくコントロールする方法も広まっています。自分の感情を冷静に見つめることができれば、相手に対する捉え方も変わってくるかもしれません。
“対話しない勇気”も必要なときがある
「どうしてもわかってほしい」「伝えれば変わるかも」と思って、何度も対話を試みたくなる気持ちはわかります。でも、相手に変わる意思がない場合、言えば言うほどこちらが疲れてしまいますよね。そんなときは、あえて“何もしない”選択肢を取る勇気も必要です。
自分の大切なエネルギーを守るためには、「この人には何を言っても無駄かもしれない」と見切ることも一つの方法。冷たく聞こえるかもしれませんが、現実的な自己防衛でもあります。
「自分が悪いのかも…」と思いすぎない
ケロッとしてる人を見ていると、「自分が神経質すぎるのかも」「こんなにイライラする私はおかしい?」と自分を責めてしまう方も少なくありません。でも、それはまったくおかしなことではありません。むしろ、仕事や周囲への責任感が強いからこそ、気になるのです。
全員が同じ価値観で働いているわけではありません。違和感を覚えるのは、あなたの感受性や責任感がしっかりしている証拠。だからこそ、「自分の感覚を否定しない」ことも、心の健康を守るうえでとても大切なことなんです。
どうしても無理な場合は「相談」も選択肢
いくら理解を深めてもうまく対応しても、「やっぱり限界…」と感じる場面もありますよね。そんなとき、自分ひとりで抱え込まないことが何より大切です。この章では、職場での人間関係に限界を感じたときの相談先や選択肢について紹介します。
信頼できる上司や人事に相談する
まずは、直属の上司や人事など、信頼できる第三者に相談することが選択肢の一つです。「あの人の態度が気になって、仕事に集中できない」「どう接したらいいか悩んでいる」と伝えることで、配置の見直しや間接的な働きかけをしてくれることもあります。
「我慢するのが社会人のマナー」だと思い込みすぎず、環境改善のために声を上げることも立派な行動です。もちろん、感情的に話すのではなく、冷静に事実を伝えるようにすると、相談がスムーズに進みやすいですよ。
心身の限界が近いときは“逃げ”も大切
「イライラが続いて眠れない」「職場に行くのが苦痛」など、心身の異常を感じるレベルになっているなら、それはもう限界のサイン。無理して頑張りすぎると、うつや不安障害といった深刻な状態に進行してしまうこともあります。
そんなときは、「逃げる」ことも立派な戦略。部署異動や転職など、自分にとって安心できる環境を選ぶことが、結果的に長く働き続けるための近道になるかもしれません。自分の心と体を守ることは、何よりも優先すべきことですよ。
まとめ:怒られてもケロッとしてる人=悪ではない
怒られてもケロッとしている人に対して、「反省してないの?」「空気読んでよ」と感じてしまうのは、ごく自然な反応です。でも、その人が本当に“図太いだけ”とは限りません。反応の仕方や受け止め方があなたとは違うだけ、というケースも多いのです。
感情ではなく事実で伝えたり、期待を表現したりと、接し方を少し工夫するだけで関係性はぐっとラクになります。そして、自分の感情も大切にしてくださいね。「もう無理だな」と感じたら、相談や環境の見直しを遠慮せず選びましょう。
よくある質問
- ケロッとしてる人って本当に反省してないんですか?
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必ずしもそうとは限りません。表面上は平然としていても、内心ではショックを受けていたり、反省している人もいます。ただ、感情表現が苦手だったり、プライドから態度に出さないだけのことも。だからこそ「反省してない」と決めつけずに距離をとるのが無難です。
- 職場でそういう人とどう接したらいいですか?
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基本的には“適度な距離感”がベストです。感情の波が伝わりにくい人と無理に深く関わるよりも、仕事上の最低限のやり取りだけにとどめておく方が、心の消耗を防げます。どうしてもストレスを感じるなら、上司や同僚に相談して環境を整える工夫をしましょう。
- もう耐えられないとき、逃げてもいいんでしょうか?
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もちろん逃げても大丈夫です。「逃げる=悪」ではありません。心や体を壊してまで我慢する必要はまったくありません。転職、部署異動、退職代行など、あなたを守る手段はたくさんあります。自分を守る行動こそ、大人としての勇気ある選択です。

「あの人の態度、ちょっと信じられない…」と思ったときほど、視点を変えてみるチャンスかもしれません。無理せず、自分を大事にしてくださいね。
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